「皮膚科の豆知識ブログ」は日々の小さな疑問を解決する論文を紹介するブログです。 皮膚疾患は数が多く、大規模スタディがほとんど行われていません。そのため診療は経験に基づいて行われエビデンスは軽視されがちです。 そこで、このブログでは皮膚科診療…
現在、医学雑誌medicinaで皮膚科治療薬の連載を行っています。 www.derma-derma.net Vol.61 No.1~5でステロイド外用薬編が終了したので、その簡単なまとめを記載しておきます。 作用機序と有効な皮膚疾患 ステロイド外用薬は、表皮内の炎症細胞や表皮細胞の…
拙著「誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた」の読者から、皮疹をみたときの初期対応と皮膚科コンサルトのタイミングが知りたいとのご意見をいただきました。 そこで紅斑を3つに分けて、それぞれの対応についてこのブログで解説していきます。 今回…
帯状疱疹の既往がある患者に帯状疱疹ワクチンは必要なのでしょうか。 論文を調べてみました。 再発の頻度 まず帯状疱疹の再発はどれくらいあるのでしょうか。 帯状疱疹に関するシステマティックレビューを見てみましょう。 BMJ Open.4(6): e004833, 2014、 P…
現在使用可能な帯状疱疹ワクチンは2種類あります。 生ワクチン 遺伝子組換えワクチン これらはどう違うのでしょうか。論文を調べてみました。 予防効果 CDCのレコメンデーションにそれぞれの予防効果が記載されています。 MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 67(3):…
拙著「誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた」には、いくつかわかりにくい部分があったようです。 そこで、このブログで読者の疑問に解答していきたいと思います。 前回はうっ滞性脂肪織炎について解説しました。 www.derma-derma.net 今回は疑問で…
拙著「誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた」には、いくつかわかりにくい部分があったようです。 そこで、読者の疑問に対してここで解答していきたいと思います。 前回は蜂窩織炎の診断について解説しました。 www.derma-derma.net 今回はそのつづ…
24年1月より医学書院の内科雑誌「medicina(メディチーナ)」で私の連載が始まりました。 medicina2024年1月号 特集 その知見は臨床を変える? 以前出版した書籍「誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた」は病態の解説と診断法に内容を絞り、具体的…
拙著「誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた」には、いくつかわかりにくい部分があったようです。 そこで、このブログで読者の疑問に解答していきたいと思います。 前回は蕁麻疹について解説しました。 www.derma-derma.net 今回は蜂窩織炎の診断に…
拙著「誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた」には、いくつかわかりにくい部分があったようです。 そこで、このブログで読者の疑問に対して解答していきたいと思います。 前回は真菌検査について解説しました。 www.derma-derma.net 今回は蕁麻疹に…
拙著「誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた」には、いくつかわかりにくい部分があったようです。 読者からいただいた疑問に対してここで解答していきたいと思います。 今回は真菌検査についてです。 抗真菌薬処方の際に真菌検査は必須なのか? ま…
非結核性抗酸菌症と言えば呼吸器感染症というイメージですが、皮膚感染症にも出会うことがあります。 呼吸器と皮膚ではどのような違いがあるのでしょうか。 文献を調べてみました。 原因菌 呼吸器感染症の原因菌は何が多いのでしょうか。 Emerg Infect Dis. …
NSAIDs外用薬には2種類あります。 皮膚疾患用(皮膚炎) 整形外科疾患用(関節痛、筋肉痛) 今回は湿疹・皮膚炎に使用する皮膚疾患用NSAIDs外用薬について見てみます。 NSAIDs外用薬の位置づけ ステロイド外用薬には免疫抑制や皮膚萎縮などの副作用がありま…
NSAIDs外用薬には2種類あります。 皮膚疾患用(皮膚炎) 整形外科疾患用(関節痛、筋肉痛) 今回は湿疹・皮膚炎に使用する皮膚疾患用NSAIDs外用薬について見てみます。 NSAIDs外用薬の位置づけ ステロイド外用薬には免疫抑制や皮膚萎縮などの副作用がありま…
オイラックスという外用薬があります。 この薬剤にはどのような効果があるのでしょうか。 オイラックスの成分であるクロタミトンは、1940年代に疥癬に対する殺虫剤として開発されました。 しかしその後に痒みに対する効果が分かり、鎮痒性外用薬としても使用…
オイラックスという外用薬があります。 この薬剤にはどのような効果があるのでしょうか。 オイラックスの成分であるクロタミトンは、1940年代に疥癬に対する殺虫剤として開発されました。 しかしその後に痒みに対する効果が分かり、鎮痒性外用薬としても使用…
粉瘤と呼ばれる腫瘍には主に2つの種類があります。 表皮嚢腫 外毛根鞘嚢腫 これらにはどのような違いがあるのでしょうか。 内訳 まず内訳に関する論文を見てみましょう。 日本臨床外科学会雑誌 68 (3), 547, 2007 NAID: 130004516519 手術で切除された粉瘤40…
粉瘤の診断は一般的に視診と触診から行われます。 しかし典型例では診断は容易ですが、ヘソが目立たない場合は、正直なところ診断に確信が持てないケーズも少なくはありません。 粉瘤はどれくらい正確に診断できるのでしょうか。 論文を見てみましょう。 日…
粉瘤は炎症を起こすことがあります。 炎症を起こす頻度は表皮嚢腫で50%、外毛根鞘嚢腫で15%と報告されています。 Clinically, trichilemmal cysts become inflamed infrequently 14.8%, in this series compared with 50% of epidermoid cysts. Br J Dermato…
粉瘤の術後再発症例に出会うことがあります。 手術中に嚢腫壁を取り残すと再発することが多い印象がありますが、再発率はどのくらいなのでしょうか。 論文を見てみましょう。 Dermatol Surg. 28(8): 673, 2002 PMID: 12174056 くり抜き法で切除を行った粉瘤8…
ステロイドはどのくらいの量を1日何回塗ればよいのでしょうか。 添付文書には「1日1~数回適量を塗布」と記載されていることが多く不明瞭です。 今回はステロイドの外用回数について考えてみます。 1日に何回も外用するのはかなり面倒です。 実際、1日2回の…
ステロイド外用薬はどのくらいの量を1日何回塗ればよいのでしょうか。 添付文書には「1日1~数回適量を塗布」と記載されていることが多く不明瞭です。 前回の記事では外用回数について解説しました。 www.derma-derma.net 今回はステロイドの外用量について…
ステロイド外用の代表的な副作用は、塗った部位の「皮膚萎縮」と「皮膚バリア機能低下」です。 それではこれらの副作用はどれくらいの期間で出現するのでしょうか。 皮膚萎縮 まず皮膚萎縮についての論文を見てみましょう。 Skin Pharmacol Appl Skin Physio…
ステロイドには様々な全身性副作用があります。 しかし外用で体内に吸収されるステロイド量は少なく、問題になることは多くはありません。 それでは全身性副作用に注意する必要がある使用量はどれくらいなのでしょうか。 論文を見てみましょう。 Therapeutic…
自己免疫疾患に内服ステロイドを使用する際、症状が改善した後も急に中止せず漸減するのが一般的です。 そして減量の際、副作用を軽減するために間歇投与(2日に1回など)が行われます。 外用薬を使用する場合にも漸減は必要なのでしょうか。 そして間歇投与…
ステロイド外用薬と保湿剤を併用することで、症状をより改善することができる可能性があります。 www.derma-derma.net そこでステロイド外用薬と保湿剤を混合することがあります。 しかし混合して薄まった場合も効果は維持されるのでしょうか。 今回は抗炎症…
ステロイド外用薬と保湿剤を併用することで、症状をより改善することができる可能性があります。 www.derma-derma.net そこでステロイド外用薬と保湿剤の混合が行われます。 しかし混合して薄まっても効果は維持されるのでしょうか。 今回は保湿効果について…
前回に引き続き書籍の内容をもとにして国家試験の問題を解説していきます。 誰も教えてくれなかった皮疹の診かた 今回は第4章の内容になります。 【問題】 以下の表面がツルツルで周囲との境界が不明瞭な紅斑をみたとき、注目すべきポイントは何でしょう。 …
前回に引き続き書籍の内容をもとにして国家試験の問題を解説していきます。 誰も教えてくれなかった皮疹の診かた 今回は第4章の内容になります。 【問題】 以下の紅斑をみたとき、注目すべき2つのポイントは何でしょう。 (110-I79) 国試問題文(抜粋) 45…
前回に引き続き書籍の内容をもとにして国家試験の問題を解説していきます。 誰も教えてくれなかった皮疹の診かた 今回は第3章の内容になります。 【問題】 以下の24時間以上持続する紅斑をみたとき、まず確認するのは何でしょう。 (108-A51) 国試問題文(…