2023-01-01から1年間の記事一覧
粉瘤の診断は一般的に視診と触診から行われます。 しかし典型例では診断は容易ですが、ヘソが目立たない場合は、正直なところ診断に確信が持てないケーズも少なくはありません。 粉瘤はどれくらい正確に診断できるのでしょうか。 論文を見てみましょう。 日…
粉瘤は炎症を起こすことがあります。 炎症を起こす頻度は表皮嚢腫で50%、外毛根鞘嚢腫で15%と報告されています。 Clinically, trichilemmal cysts become inflamed infrequently 14.8%, in this series compared with 50% of epidermoid cysts. Br J Dermato…
粉瘤の術後再発症例に出会うことがあります。 手術中に嚢腫壁を取り残すと再発することが多い印象がありますが、再発率はどのくらいなのでしょうか。 論文を見てみましょう。 Dermatol Surg. 28(8): 673, 2002 PMID: 12174056 くり抜き法で切除を行った粉瘤8…
内臓や血液の真菌感染症(深在性真菌症)はカンジダやアスペルギルスが多いと言われています。 それでは皮膚真菌症の原因菌は何が多いのでしょうか。 論文を見てみましょう。 Med Mycol J. 60(3): 75, 2019 PMID: 31474694 皮膚科を受診した皮膚真菌症患者67…
従来、アトピー性皮膚炎は小児の疾患と考えられていました。 1970年代のデータを見ると、成人の割合は10%程度です。 【アトピー患者の年齢(1976年)】 ・9歳以下:68%・10~19歳:19%・20~29歳:7%・30歳以上:6% Asia Pac Allergy. 1(2): 64, 2011 しかし…
「子どものアトピーは自然に治る」と言われますが、これは本当なのでしょうか。 論文を見てみましょう。 Br J Dermatol. 170(1): 130, 2014 PMID: 23980909 台湾で行われた、生後2歳までに発症したアトピー性皮膚炎の小児1404人の調査です。 10歳まで皮膚炎…
ステロイドはどのくらいの量を1日何回塗ればよいのでしょうか。 添付文書には「1日1~数回適量を塗布」と記載されていることが多く不明瞭です。 今回はステロイドの外用回数について考えてみます。 1日に何回も外用するのはかなり面倒です。 実際、1日2回の…
ステロイド外用薬はどのくらいの量を1日何回塗ればよいのでしょうか。 添付文書には「1日1~数回適量を塗布」と記載されていることが多く不明瞭です。 前回の記事では外用回数について解説しました。 www.derma-derma.net 今回はステロイドの外用量について…
ステロイド外用の代表的な副作用は、塗った部位の「皮膚萎縮」と「皮膚バリア機能低下」です。 それではこれらの副作用はどれくらいの期間で出現するのでしょうか。 皮膚萎縮 まず皮膚萎縮についての論文を見てみましょう。 Skin Pharmacol Appl Skin Physio…
ステロイドには様々な全身性副作用があります。 しかし外用で体内に吸収されるステロイド量は少なく、問題になることは多くはありません。 それでは全身性副作用に注意する必要がある使用量はどれくらいなのでしょうか。 論文を見てみましょう。 Therapeutic…
自己免疫疾患に内服ステロイドを使用する際、症状が改善した後も急に中止せず漸減するのが一般的です。 そして減量の際、副作用を軽減するために間歇投与(2日に1回など)が行われます。 外用薬を使用する場合にも漸減は必要なのでしょうか。 そして間歇投与…
ステロイド外用薬と保湿剤を併用することで、症状をより改善することができる可能性があります。 www.derma-derma.net そこでステロイド外用薬と保湿剤を混合することがあります。 しかし混合して薄まった場合も効果は維持されるのでしょうか。 今回は抗炎症…
ステロイド外用薬と保湿剤を併用することで、症状をより改善することができる可能性があります。 www.derma-derma.net そこでステロイド外用薬と保湿剤の混合が行われます。 しかし混合して薄まっても効果は維持されるのでしょうか。 今回は保湿効果について…