皮膚科の豆知識ブログ

皮膚科専門医のブログです。日々の小さな疑問を解決する論文を紹介します。

2023-01-01から1年間の記事一覧

NSAIDs外用薬は皮膚炎に使わないほうがいい?(効果について)

NSAIDs外用薬には2種類あります。 皮膚疾患用(皮膚炎) 整形外科疾患用(関節痛、筋肉痛) 今回は湿疹・皮膚炎に使用する皮膚疾患用NSAIDs外用薬について見てみます。 NSAIDs外用薬の位置づけ ステロイド外用薬には免疫抑制や皮膚萎縮などの副作用がありま…

NSAIDs外用薬は皮膚炎に使わない方がいい?(副作用について)

NSAIDs外用薬には2種類あります。 皮膚疾患用(皮膚炎) 整形外科疾患用(関節痛、筋肉痛) 今回は湿疹・皮膚炎に使用する皮膚疾患用NSAIDs外用薬について見てみます。 NSAIDs外用薬の位置づけ ステロイド外用薬には免疫抑制や皮膚萎縮などの副作用がありま…

オイラックスにはどんな効果がある?(殺虫効果)

オイラックスという外用薬があります。 この薬剤にはどのような効果があるのでしょうか。 オイラックスの成分であるクロタミトンは、1940年代に疥癬に対する殺虫剤として開発されました。 しかしその後に痒みに対する効果が分かり、鎮痒性外用薬としても使用…

オイラックスにはどんな効果がある?(鎮痒効果)

オイラックスという外用薬があります。 この薬剤にはどのような効果があるのでしょうか。 オイラックスの成分であるクロタミトンは、1940年代に疥癬に対する殺虫剤として開発されました。 しかしその後に痒みに対する効果が分かり、鎮痒性外用薬としても使用…

保湿剤は入浴後に塗った方がいい?

保湿剤は入浴後に塗るのがいいといわれています。 その理由は2つあるようです。 入浴後に皮膚の乾燥が進むのを予防 入浴で吸収した水分を閉じ込めるので保湿効果が高い まず入浴洗浄によって皮膚表面の皮脂が取れるため、そのまま放置しておくと皮膚の乾燥が…

2種類の粉瘤の違い

粉瘤と呼ばれる腫瘍には主に2つの種類があります。 表皮嚢腫 外毛根鞘嚢腫 これらにはどのような違いがあるのでしょうか。 内訳 まず内訳に関する論文を見てみましょう。 日本臨床外科学会雑誌 68 (3), 547, 2007 NAID: 130004516519 手術で切除された粉瘤40…

粉瘤は見た目だけで診断できる?

粉瘤の診断は一般的に視診と触診から行われます。 しかし典型例では診断は容易ですが、ヘソが目立たない場合は、正直なところ診断に確信が持てないケーズも少なくはありません。 粉瘤はどれくらい正確に診断できるのでしょうか。 論文を見てみましょう。 日…

粉瘤の炎症は細菌感染なのか?

粉瘤は炎症を起こすことがあります。 炎症を起こす頻度は表皮嚢腫で50%、外毛根鞘嚢腫で15%と報告されています。 Clinically, trichilemmal cysts become inflamed infrequently 14.8%, in this series compared with 50% of epidermoid cysts. Br J Dermato…

粉瘤はどれくらい再発するの?

粉瘤の術後再発症例に出会うことがあります。 手術中に嚢腫壁を取り残すと再発することが多い印象がありますが、再発率はどのくらいなのでしょうか。 論文を見てみましょう。 Dermatol Surg. 28(8): 673, 2002 PMID: 12174056 くり抜き法で切除を行った粉瘤8…

ステロイドは1日何回塗ればいい?

ステロイドはどのくらいの量を1日何回塗ればよいのでしょうか。 添付文書には「1日1~数回適量を塗布」と記載されていることが多く不明瞭です。 今回はステロイドの外用回数について考えてみます。 1日に何回も外用するのはかなり面倒です。 実際、1日2回の…

ステロイド外用薬は1回に何gくらい塗ればいい?

ステロイド外用薬はどのくらいの量を1日何回塗ればよいのでしょうか。 添付文書には「1日1~数回適量を塗布」と記載されていることが多く不明瞭です。 前回の記事では外用回数について解説しました。 www.derma-derma.net 今回はステロイドの外用量について…

ステロイド外用薬の副作用はどれくらいの期間で出る?

ステロイド外用の代表的な副作用は、塗った部位の「皮膚萎縮」と「皮膚バリア機能低下」です。 それではこれらの副作用はどれくらいの期間で出現するのでしょうか。 皮膚萎縮 まず皮膚萎縮についての論文を見てみましょう。 Skin Pharmacol Appl Skin Physio…

ステロイド外用薬で全身性の副作用は出る?

ステロイドには様々な全身性副作用があります。 しかし外用で体内に吸収されるステロイド量は少なく、問題になることは多くはありません。 それでは全身性副作用に注意する必要がある使用量はどれくらいなのでしょうか。 論文を見てみましょう。 Therapeutic…

外用ステロイドも漸減したほうがいい?

自己免疫疾患に内服ステロイドを使用する際、症状が改善した後も急に中止せず漸減するのが一般的です。 そして減量の際、副作用を軽減するために間歇投与(2日に1回など)が行われます。 外用薬を使用する場合にも漸減は必要なのでしょうか。 そして間歇投与…

ステロイドと保湿剤を混合したらどうなる(抗炎症効果)

ステロイド外用薬と保湿剤を併用することで、症状をより改善することができる可能性があります。 www.derma-derma.net そこでステロイド外用薬と保湿剤を混合することがあります。 しかし混合して薄まった場合も効果は維持されるのでしょうか。 今回は抗炎症…

ステロイドと保湿剤を混合したらどうなる(保湿効果)

ステロイド外用薬と保湿剤を併用することで、症状をより改善することができる可能性があります。 www.derma-derma.net そこでステロイド外用薬と保湿剤の混合が行われます。 しかし混合して薄まっても効果は維持されるのでしょうか。 今回は保湿効果について…