皮膚科専門医の勉強ブログ

日々の勉強の記録

手術

真皮縫合を行う理由は?

皮膚科、形成外科では真皮縫合がよく行われます。 真皮縫合にはどのような利点があるのでしょうか。 術後瘢痕に対する真皮縫合の効果を調べた報告があります。 Br J Plast Surg. 42(1): 74, 1989 【瘢痕の幅(皮膚切除術後半年)】 ・真皮縫合なし:4.82mm・…

合成吸収糸の種類と違い

手術の時に使用する吸収糸にはいろいろな種類があります。 しかしそれぞれの特徴について解説してある教科書は少ないため、張力維持期間についてまとめてみました。 (張力維持期間以外にも、モノフィラメントか撚糸かという違いもあります) 【張力維持期間…

術後瘢痕を予防する方法

術後に肥厚性瘢痕を予防する方法としてテープ固定が行われています。 はてしてテープ固定にエビデンスはあるのでしょうか。 動物の傷で術後瘢痕の程度を調べた報告を紹介します(Arch Facial Plast Surg. 14(1): 45, 2012)。 まず無処置の傷とテープ固定し…

局所麻酔薬の使い分け

日常的に頻用している局所麻酔薬ですが、それぞれどのような差があるのでしょうか。 麻酔薬の総説から引用してみます(PEPARS 127: p1, 2017)。 まず麻酔薬の強さに関わるのが分配係数です。 分配係数(脂溶性)が高いほど、細胞膜の透過性が高く、効果が強…

エピネフリン入り局所麻酔の効果

皮膚科の手術ではエピネフリン入りの局所麻酔を使用します。 エピネフリンには血管収縮作用があり、2つの効果があると言われています。 ①麻酔薬の吸収が緩徐になるため作用時間と極量が増える ②術中の出血を減らす これにはエビデンスがあるのでしょうか。 …

術後の創部保護は必要か?

術後はガーゼや被覆材での創部保護を行うのが一般的です。 しかし創部の保護は本当に必要なのでしょうか。 2つの論文を紹介します。 まずは術後感染に関する報告です。 【創部感染発症率】 ・24時間以降は保護せず:4.7%・24時間以降も保護:4.9% Br J Surg.…

術後の抗菌薬は必要か?

最近は術後の予防的抗菌薬は不要というのがトレンドです。 胃癌手術(準清潔)では術後抗菌薬投与群の術後感染発症率は未投与群と同等であったというデータがあります。 【創部感染発症率(胃癌手術)】 ・術中のみ:5.8%・術中+術後2日:4.5% (有意差なし…