皮膚科の豆知識ブログ

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妊娠中、授乳中の抗ヒスタミン薬

 

妊娠中に安全性が高い薬剤

 

授乳中に安全性が高い薬剤

 

 

妊娠中の抗ヒスタミン薬投与はほぼ安全と考えられるが、エビデンスが十分でないので、治療上必要とされる場合に、安全とされている薬剤の投与を行ってもよい。

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021

 

ヒスタミン薬を含めて妊婦に対する薬物治療の十分な安全性は確立していない。

しかし、現在までに我が国で承認されている抗ヒスタミン薬はいずれも催奇形性の報告はない。よって、薬物治療の必要性が有害事象によるデメリットの可能性を上回る場合は、第二世代の非鎮静性抗ヒスタミン薬を使用する。

その中では、ロラタジンとセチリジン塩酸塩は妊婦の使用経験の蓄積と弱いエビデンスがある。さらに、理論的にはそれらの体内活性化物であるデスロラタジン、レボセチリジンも同様に安全と考えられるが、現時点でエビデンスはない

蕁麻疹診療ガイドライン2018

 

授乳婦については、抗ヒスタミン薬はいずれも母乳へ移行し得るため、妊婦と同様の薬剤が推奨される。

授乳婦の内服薬使用については、国立成育医療センター妊娠と薬情報センターのホームページを参照する。

蕁麻疹診療ガイドライン2018

 

妊娠中の抗ヒスタミン薬投与はほぼ安全と考えられるが、エビデンスが十分でないので、治療上必要とされる場合に、安全とされている薬剤の投与を行ってもよい。

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021