最近は術後の予防的抗菌薬は不要というのがトレンドです。
胃癌手術(準清潔手術)では、抗菌薬投与群の術後感染発症率は未投与群と同等であったというデータがあります。
Br J Surg 94(6): 683,2007(PMID: 17514671)
【創部感染発症率(胃癌手術)】
・術中のみ:5.8%
・術中+術後2日:4.5%
(有意差なし)
つまり術後抗菌薬の有効性は証明されていません。
この論文では準清潔手術ではルーチンの術後抗菌薬投与は推奨しないとされています。
ちなみに手術のクラス分類は以下の通りです。
【クラス分類と手術部位感染発生率】
・クラスⅠ(清潔):1~3%
・クラスⅡ(準清潔):8~10%
・クラスⅢ(汚染):15~20%
・クラスⅣ(不潔・感染):25~40%
(「感染予防、そしてコントロールのマニュアル」より)
皮膚科手術はクラスⅠ(清潔)に相当し、術後抗菌薬は不要と考えてよさそうです。
ちなみに皮膚科手術の術後感染発生率は1.9%と報告されています。
クラス分類に矛盾しないデータと言えるでしょう