皮膚科専門医の勉強ブログ

日々の勉強の記録

エピネフリン入り局所麻酔の効果

 皮膚科の手術ではエピネフリン入りの局所麻酔を使用します。

エピネフリンには血管収縮作用があり、2つの効果があると言われています。

 

①麻酔薬の吸収が緩徐になるため作用時間と極量が増える

②術中の出血を減らす

 

これにはエビデンスがあるのでしょうか。

出血に対するエピネフリンの効果を調べた論文を紹介します。

毛巣洞の手術でエピネフリン入りとエピネフリンなしの局所麻酔の比較が行われました(Eur Surg Res 36(4): 256, 2004)。

まず術後出血量の比較です。

【術中出血量】

・エピネフリンなし:17.5ml
・エピネフリンあり:6.5ml
(p<0.05)

 

エピネフリンはやはり術中の出血を減らす効果があるようです。

それでは術後の出血はどうでしょうか。

【術後出血量】

・エピネフリンなし:13.5ml
・エピネフリンあり:11.0ml
(p>0.05)

 

どうやらエピネフリンには術後の出血を減らす作用はないようです。

逆に止血が不十分になり血腫が増えたという報告(Plast Reconstr Surg. 113(1): 381, 2004)もあるため注意が必要です。