皮膚科専門医の勉強ブログ

日々の勉強の記録

局所麻酔薬の使い分け

 

日常的に頻用している局所麻酔薬ですが、それぞれどのような差があるのでしょうか。

麻酔薬の総説から引用してみます(PEPARS 127:  p1, 2017)。

 

まず麻酔薬の強さに関わるのが分配係数です。

分配係数(脂溶性)が高いほど、細胞膜の透過性が高く、効果が強いようです。

■分配係数

キシロカイン(43)>カルボカイン(21)

 

強さはキシロカインがカルボカインに勝っています。

 

次に効果発現の早さはどうでしょうか。

麻酔薬はイオン型(水素イオンと結合)と塩基型(水素イオンと結合してない)の2つの形で存在しており、細胞膜を通過できるのは塩基型です。

解離定数が低い薬剤は塩基型が多く、素早く細胞膜を通過できます。

■解離定数

キシロカイン(7.9)≒カルボカイン(7.6)

 

解離定数はほぼ同等で、効果発現の早さは同じくらいのようです。

 

最後に麻酔薬の持続時間に関わるのが蛋白結合率です。

蛋白結合率が高い薬剤のほうがイオンチャンネルから離れにくく、効果が持続します。

■蛋白結合率

カルボカイン(77%)>キシロカイン(64%)

 

カルボカインの方が効果の持続時間は長いようです。

 

まとめるとキシロカインは強く、カルボカインは持続時間が長いという特徴があります。

ただしエピネフリンを添加すると持続時間が伸びるため、エピネフリン入りのキシロカインが一番優れた効果を発揮するのではないかと思います。

 

ちなみにアナペインは分配係数115、蛋白結合率94%と、強度、持続時間ともにキシロカインを大きく上回っています。

保険では硬膜外麻酔にしか使用できませんが、キシロカインと混合して局所麻酔に使う美容外科の先生もいるようです。