術後に肥厚性瘢痕を予防する方法としてテープ固定が行われています。
はたてしてテープ固定にエビデンスはあるのでしょうか。
動物の傷で術後瘢痕の程度を調べた報告を紹介します。
無処置40例、テープ固定20例、シリコンゲルシート20例で、30日後瘢痕スコアが調べられています。
まず無処置の傷とテープ固定した傷の比較を見てみましょう。
Arch Facial Plast Surg. 14(1): 45, 2012 PMID: 21844480
【30日後の瘢痕スコア】
無処置(2.2)>テープ固定(1.5)
(p<0.01)
無処置と比較してテープ固定したほうが瘢痕スコアは低くなっていて、テープ固定には瘢痕予防の効果がありそうです。
次にシリコンゲルシートの効果はどうでしょうか。
【30日後の瘢痕スコア】
テープ固定(1.5)≒シリコンゲルシート(1.6)
(p=0.88)
シリコンゲルシートとテープ固定には有意な差はないようです。
テープと比べると高価ですが、手術部位によってはこちらの方が使いやすい場合もあるため、症例に応じて使い分けるのがよさそうです。