熱傷の手術については、あまり習うことがない気がします。
深達度によってⅠ~Ⅲ度に分類されていますが、受傷直後に正確に診断するのは困難です。
壊死組織が分界され範囲がはっきりするのは受傷後10日~2週間後になります。
この2週間が基準になり、早期手術と晩期手術に分類されます。
・早期手術:受傷2週間前に手術
・晩期手術:受傷2週間以降に壊死範囲がはっきりしてから手術
MB derma 146: 42, 2008
受傷面積が30%以上の広範囲熱傷では晩期手術の死亡率は高く、早期手術(特に48時間以内の超早期手術)が望ましいとされています。
広範囲熱傷(30%TBSA以上)に対しては,受傷後早期に壊死組織を切除して創閉鎖を行う“早期手術”が推奨される(B)。
熱傷診療ガイドライン第2版
一方局所熱傷であれば、まず外用治療で様子を見て、2週間して壊死範囲がはっきりした段階で手術の必要性を判断すればよいでしょう。
「晩期手術」を念頭にまず保存的治療を行うという方針はわかりやすいと思います。
また熱傷で注意が必要なのは初診時の説明です。
受傷直後に深度を正確に診断するのは難しいため、初日にはあまり見込みは話さず、深度がある程度明らかになってから説明するのがよいでしょう。