皮膚科専門医の勉強ブログ

日々の勉強の記録

傷の培養検査で気をつけること

 「傷を見たら培養をしろ」昔はそんなふうに習ったことがあるような気がします。

創部の培養はよく行われていますが注意が必要です。

 

傷が感染を起こしているのかは、創部培養で分かるのでしょうか。

非感染創の培養を行った研究があります。

Med J Malaysia. 56(2): 201, 2001

非感染創の培養陽性率:39.3%

 

傷が感染を起こしていなくても、定着菌によって4割程度陽性になるようです。

そのため培養検査では感染の有無はわかりません。

 

また感染が起こったときのために、予め培養を行っておくケースがあります。

この研究では培養を行った傷がその後感染を起こすかどうかも確認しています。

すると感染前に培養された菌と、その後の感染を起こしたときの菌は違っていたようです。

そのため創部の培養は感染時の起因菌予測にも使用できません。

非感染創の培養検査は行わないほうがよいでしょう。

 

また感染創であっても、培養で分離された菌が起因菌であるかどうかも分かりません。

スワブ培養より深部の生検組織培養の方が信頼性が高いとされており(Diabet Med. 18(10): 822, 2001)、創部のスワブ培養は避けたほうがいいようです。