ハチに刺された場合2回目が危険と言われますが、実際にアレルギーを起こす可能性はどれくらいあるのでしょうか。
ハチ刺症の総論から引用してみます。
アレルギー 67(2): 89, 2018
まず初めて刺された後、IgEが陽性化するのが20~30%です。
ハチ刺傷
↓
ハチIgE陽性化率:20~30%
IgE抗体陽性者が再びハチに刺された場合、アレルギーを発症するのが10~20%程度とのことです。
ハチIgE陽性者
↓
再刺傷時のアレルギー率:10~17%
2回目の刺症でアレルギーが起きるのはだいたい2~6%くらいと考えてよいでしょうか。
ある程度の目安を知っておけば患者さんに説明する時にも役に立つと思います。
ちなみにハチ刺症の皮膚症状には2種類があります。
一つはIgE抗体によるⅠ型アレルギー。もう一つはⅣ型アレルギーです。
①局所反応(Ⅰ型アレルギー):3日以内に消失
②遅延型局所反応(Ⅳ型アレルギー):4日以上持続
西日本皮膚科 56(2): 280, 1994
ハチ刺症には抗ヒスタミン薬を処方しがちですが、Ⅳ型アレルギーには無効です。
4日以上持続する遅延型局所反応には、ステロイド内服を検討する必要があります。