皮膚科の豆知識ブログ

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造影剤の即時型反応はアレルギーではない?

即時型反応は一般的に、IgEを介したⅠ型アレルギーで起こります。

しかし造影剤では少し異なっています。

造影剤はマスト細胞を直接刺激することがあり、アレルギーではない機序で反応を起こすことがあるのです。

 

造影剤の即時型反応

  • IgE依存性(アレルギー性)
  • IgE非依存性(非アレルギー性)

 

そのため初めての投与でも反応が起こる可能性があります。

このような非アレルギー機序で即時型反応が起こるのはどれくらいの割合なのでしょうか。

CT造影剤の投与患者9290例とMRI造影剤の投与患者4919例を調査した日本の論文を紹介します。

MB derma 229: 131, 2015

【初回投与での発症】

・CT:70.3%
・MRI:82.6%

 

このように初回投与で発症する症例はかなり多いようです。

まだ感作されていない初めての投与で反応が出た場合は、非アレルギー性と考えられます。

このように造影剤の即時型反応はアレルギーとは限らないので注意が必要です。