アレルギーには即時型と遅延型の2種類があることは、誰もが知っていると思います。
ところが造影剤アレルギーの相談を受けてみると、即時型と遅延型が区別されていないことが多いと感じます。
「造影剤アレルギー=アナフィラキシー」と考えているが人が多いのですが、造影剤アレルギーには遅延型も存在しています。
まずこれらの頻度がそれぞれどれくらいなのかのデータを紹介します。
皮膚科の臨床 54(11): 1562, 2012
・即時型:6%
・遅延型:94%
どうやらほとんどが遅延型のようです。
造影剤アレルギーをみあた場合、まずどちらの型なのかを判断しなければなりません。
皮疹が発症したタイミングを把握することで、即時型と遅延型を鑑別することができます。
それでは遅延型アレルギーはどれくらいの時間で発症するのでしょうか。
同じ論文で、造影剤投与から皮疹出現までの時間も調べられています。
【造影剤アレルギーの発症時期】
1~2日後:35%
3~4日後:6%
5~6日後:43%
7日以降:16%
1~2日で発症しているのは既感作の患者です。未感作の場合は5~6日で発症するのが特徴のようです。
造影剤アレルギーは、体内に残る造影剤で感作が成立し約1週間後に発症します。
未感作であった場合は、造影剤の使用が見落とされやすいので注意が必要です。