皮膚科の豆知識

皮膚科専門医が日々の小さな疑問を解決する論文を紹介します

疥癬はどれくらい見逃してしまうのか?

私たち皮膚科医を最も怯えさせる疾患が疥癬です。

一見して湿疹や痒疹と見分けがつきづらい。

よくよく手や陰部を観察すれば、疥癬トンネルや疥癬結節が見つかりますが、注意していないと見逃してしまいます。

疥癬は忘れた頃にやってくる。

常に頭の片隅に置いておく必要があります。

 

疥癬の診断法は疥癬虫や虫卵を皮膚から直接検出することです。

ところが必ず見つかるわけではありません。

疥癬虫の寄生数は、多くの症例で1〜5匹と少数であるためです(衛生動物 43(2): 117, 1992)。

 

それでは実際の検出率はどれくらいなのでしょうか。

それを調べた論文があります。

STD 70(1): 19, 1989

疥癬が疑われる患者からのヒゼンダニの検出率:68%

 

検出率は約7割。

一度陰性であっても安心せず、複数回の検査を行う必要があります。

 

最近はダーモスコピーで確認する方法が確立してきているので、検出率は上がっているかもしれません。