皮膚科の豆知識

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【医師国家試験皮膚科領域②】臨床で役立つ解説-重症薬疹

前回に引き続き、医師国家試験に出題された皮膚疾患の写真から、皮膚科診断について説明していきます。

 

前回、紅斑のみかたの原則を解説しました。

 

・表面がザラザラ:表皮の病変(湿疹)

・表面がツルツル:真皮の病変(薬疹)

 

しかし原則には例外があります。

今回は例外の中から、表面がツルツルではない薬疹について取り上げてみます。

 

重症薬疹 

重症薬疹のTENは国家試験でもよく出題されているようです。

TENの写真を見てみましょう。

薬疹なのに表面がツルツルではありません。

医師国家試験TENの図

 

これはなぜなのでしょうか。

 

実はTENの皮疹も真皮から始まるので、最初は表面がツルツルしています。

ところが炎症が強いために表皮まで病変が拡大し、表皮が壊死します。

すると水疱を形成し、びらんになってしまうのです。

医師国家試験薬疹の図


以下の薬疹の写真は、一見表面がツルツルの紅斑です。

医師国家試験薬疹の図

 

しかしよく見ると、一部に水疱を形成しているのがわかります。

つまりTENに進行しつつあるということです。

医師国家試験スティーブンス・ジョンソンの図

水疱、びらんが体表面積の30%を超えるとTENの診断となります。 

 

まとめ

薬疹の進行のしかたは以下の通りです。

 

表面がツルツルの紅斑(通常薬疹)→口腔粘膜疹(スティーブンス・ジョンソン症候群)→全身のびらん(TEN)

 

このように本来ツルツルのはずの紅斑が、ツルツルではなくなったときには注意が必要なのです。

 

次回は薬疹以外の表面がツルツルの病変について解説します。

つづく