皮膚科の豆知識ブログ

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皮膚真菌症に内服抗真菌薬を使うシチュエーションは?

抗真菌薬内服が必要な白癬は爪白癬が代表的です。

真菌は爪の下にいますが、外用薬が爪を通過できないからです。

 

しかし内服薬は、その他の白癬にも適応があります。

ガイドラインから内服薬の適応をみてみましょう。

皮膚真菌症診療ガイドライン 2019

 【内服抗真菌薬の適応】

①爪白癬
②広範囲の体部白癬
③頭部白癬
④角化型足白癬
⑤接触皮膚炎を合併した足白癬

 

まず②範囲が広く外用が難しい重症の体部白癬は内服薬の適応になります。

 

また③頭部白癬や④角化型足白癬は外用の効果が乏しいことが知られており、内服薬を使用します。

 

さらに通常の足白癬でも、⑤接触皮膚炎を合併している場合は外用薬が使えません。

この場合はステロイド外用と抗真菌薬内服を組み合わせる治療選択肢があります。

 

外用一辺倒ではなく、内服も使いこなすのが専門医の白癬治療です。