皮膚科の豆知識ブログ

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足白癬の内服抗真菌薬はどれを選ぶか?

足白癬に対して保険適応がある内服抗真菌薬には、テルビナフィン(ラミシール)とイトラコナゾール(イトリゾール)の2種類があります。

 

  • テルビナフィン(ラミシール)
  • イトラコナゾール(イトリゾール)

 

どちらを選択すればよいのでしょうか。

まず両者の効果を比較した4本の論文のシステマティック・レビューでは、テルビナフィンとイトラコナゾールの間に有意な差はみられていません。

Cochrane Database Syst Rev. 10(10): CD003584, 2012 PMID: 23076898

 

そのためどちらを選んでも大きな差はなさそうです。

ただしテルビナフィンには併用禁忌薬はありませんが、イトラコナゾールには多数の併用禁忌薬があります。

そのためテルビナフィンのほうが使いやすい印象があります。

 

さらにイトラコナゾールの後発品には、先発品と比べて吸収率が悪く血中濃度が低いものがあるようです。

新薬と臨床 54(11): 1408, 2005

血中濃度(Cmax)の比較

  • 先発品:100%
  • 後発品A:25.3%
  • 後発品B:74.0%
  • 後発品C:55.1%
  • 後発品D:8.1%
  • 後発品E:58.8%
  • 後発品G:80.1%

 

以上よりテルビナフィンを選択するほうがよい気がしています。