伝染性単核球症の皮疹はアンピシリン疹が有名です。
かつてはペニシリン系抗菌薬の投与で100%近く皮疹が出るとされていました。
しかし現在ではもっと頻度は低いと言われています。
実際の頻度がどれくらいなのか、伝染性単核球症の後方研究を見てみましょう。
アモキシシリンが投与された61人と抗菌薬が投与されなかった65人で、皮疹の有無が調べられました。
Pediatrics. 131(5): e1424, 2013(PMID: 23589810)
【皮疹出現率】
・アモキシシリン投与:39.3%
・抗菌薬未投与:23.1%
このように抗菌薬投与後に皮疹が出現する頻度は4割程度のようです。
さらに抗菌薬を投与しなくても皮疹が出現していることにも注意が必要です。
この論文では23%ですが、抗菌薬未投与で皮疹が出現するのは約10%という報告もあります(皮膚病診療22:903, 2000)。
いずれにせよウイルス性発疹症をみたら、薬剤が投与されていなくても伝染性単核球症を疑う必要がありそうです。