蚊に刺されたときの皮膚症状は、吸血の際に注入される唾液腺物質によって起こります。
唾液腺物質に対するアレルギー反応が皮膚症状の原因です。
しかし人によって蚊に刺されたときの反応は違います。
なぜ違いがあるのでしょうか。
アレルギー反応には即時型と遅延型の2種類があります。
- 即時型→15分前後で生じる
- 遅延型→1~2日後に生じる
つまり蚊に刺された後の反応には、①刺された直後に起こるものと、②翌日に起こるものの2種類あるということです。
どちらの反応が起こるかは、蚊に刺された回数によって変わります。
そのため人によって症状の出かたが違っているのです。
Nature. 158: 554, 1946 PMID: 21001941
①無反応
↓
②遅延型反応
↓
③即時型+遅延型反応
↓
④即時型反応
↓
⑤無反応
最初は感作が成立していないので無反応ですが(1)、何度か刺されるとまず遅延型反応が生じます(2)。
その後刺咬回数が増えると即時型反応が加わり(3)、さらに刺されると遅延型反応が減弱して即時型反応だけになります(4)。
そして最終的には無反応になります(5)。
子どもは一般的に②の状態なので、翌日以降に症状が生じます。
また20代では多くが③の状態で、刺された直後と翌日以降に症状が出ます。
一方高齢者は無反応のことが多いようです。
みなさんはどの状態でしょうか。