皮膚科の豆知識ブログ

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TARCが薬疹でも役に立つ

DIHSは重症薬疹の一つです。

しかし診断のためには「原因薬剤中止後の経過の遷延」や「HHV-6の再活性化」を確認する必要があり、早期に診断するのは難しい場合があります。

そこでDIHSの発症早期にTARCが役立つことが示された論文があります。

J Dermatol Sci. 69(1): 38, 2013 PMID: 23141052

 

8人のDIHS患者、7人のスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)患者、14人の紅斑丘疹型薬疹患者で、急性期のTARC値が測定されました。

【平均TARC値(pg/ml)】

・DIHS:31259
・SJS:2198
・紅斑丘疹型:2531

 

このようにDIHSではTARCが大きく上昇しています。

5桁のTARC値をみた場合はDIHSを強く疑う必要がありそうです。

TARCが上昇する機序はまだわかっていないようですが、HHV-6の再活性化に先行して上昇するため、早期診断マーカーになるようです。