皮膚科の豆知識ブログ

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Tzanck試験の精度はどれくらい?

ツァンク試験は数分程度で結果がわかるので、ヘルペスウイルス感染症の診断に有用な検査です。

それではどれくらいの精度があるのでしょうか。

論文を見てみましょう。

J Am Acad Dermatol. 59(6): 958, 2008(PMID: 18929431)

 

ヘルペス患者249人(単純ヘルペス157人、帯状疱疹92人)に対してツァンク試験が行われました。

結果は以下の通りです。

感度:85%、特異度:100%

 

このように特異度は高く、かなり有用な検査です。

ただし皮疹の種類によって感度が変わることに注意が必要です。

【皮疹別のツァンク試験陽性率】

・水疱:100%
・びらん:59.7%
・膿疱:69.2%

 

水疱が破れてびらんになった病変や、膿疱化した古い病変から検査を行った場合は感度が低いようです。

ツァンク試験を行うときは、なるべく新しい水疱から検体を採取する必要があるでしょう。