膿瘍の治療の第一選択は切開排膿です。
切開を行って貯留していた膿を圧出した後は、ドレナージ用のガーゼを詰めるのが一般的です。
しかし本当にガーゼを詰める必要はるのでしょうか。
ガーゼパッキングの効果を調べた論文があります。
Acad Emerg Med. 16(5): 470, 2009 PMID: 19388915
5㎝以下の膿瘍に対して切開を行った後、ガーゼを詰めた23例とガーゼを詰めなかった25例で、48時間後の治療失敗率が調査されています。
【治療失敗率】
・ガーゼあり:17.4%
・ガーゼなし:20.0 %
(p=0.72)
このように治療失敗率に差はなかったようです。
痛みスコアに関しては、ガーゼを詰めたほうが有意に高く、ガーゼパッキングを行うかどうかは意見が分かれています。
私は基本的にガーゼパッキングを行うようにしていますが、小さな膿瘍では必要ないかもしれません。