この度、医学書院様より本を出版しました。
みなさんは皮膚科の教科書を読んで、このような感想を持ったことはないでしょうか?
・難しい用語の解説ばかりでとっつきにくい
・疾患の写真が並べられているだけで診断の方法がわからない
「誰も教えてくれなかった皮疹の見かた・考えかた」は、これらの問題を解決するために執筆した皮膚科診断の解説書です。
まずこの本の位置づけを紹介したいと思います。
医学書の種類は大きく2つに分類されます。
一つは知識を体系的に論じた「成書」と呼ばれる教科書です。
網羅的で理論がしっかり書かれており、疾患の基礎知識を身につけることができます。
もう一つは「マニュアル」的な教科書です。
具体的な投薬例などが掲載されていて、目の前の患者への対処法を理解することができます。
多くの医学書はこれらのどちらかに分類されます。
ところが「成書」と「マニュアル」だけでは、実際の臨床現場では対応に困る場合があります。
個々の疾患については詳しく書かれていますが、根底にある「その疾患をどのように疑い、どのように追い詰めるか」という考え方が書かれてないからです。
そこで成書とマニュアルの間を埋めるものとして、エビデンスでは得られない思考回路や考え方を解説した「通読型」の教科書が存在します。
内科の分野では初学者向けの優れた通読型の教科書が数多く出版されています。
ところが皮膚科の分野で初学者向けの教科書というと、マニュアルを薄くしただけのようなものが多く、通読型の教科書は少ない印象を受けます。
それなら自分で書いてしまおう!
「誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた」は皮膚科の通読型の教科書として執筆しました。
この本は様々な書籍、教科書から影響を受けて制作されています。
これらの本を一冊ずつ紹介しながら、私の書籍の内容を解説したいと思います。
つづく