蜂窩織炎の治療期間は「皮疹が消えるまで」と習った気がします。
しかし実際には抗菌薬はどれくらいの期間投与したらよいのでしょうか。
海外のガイドラインを見てみましょう。
【蜂窩織炎の治療期間】
・IDSAガイドライン:5日
・NICEガイドライン:5~7日
治療期間は5~7日が推奨されています。
また皮膚症状が残っていても治療は終了してよいようです。
その根拠となりそうな論文を紹介します。
Arch Intern Med. 164(15): 1669, 2004 PMID: 15302637
合併症のない蜂窩織炎患者44人に5日間の抗菌薬治療、43人に10日間の治療が行われました。
そして治療開始後14日時点での治癒率が調査されています。
【14日後の治癒率】
・5日間治療:98%
・10日間治療:98%
(p=0.05)
このように抗菌薬の投与期間5日と10日では治癒率の差がないようです。
また5日間治療の治療終了時には皮膚症状が残存していますが、その後無治療で改善しています。
つまり治療に反応していれば、症状が残っていても治療は中止してよい考えられます。
ただし菌血症などがあれば最大14日間まで治療を延長する必要があるでしょう。