蜂窩織炎は抗菌薬で治療を行います。
それでは内服薬と注射薬のどちらを使用したらよいのでしょうか。
論文を見てみましょう。
J Antimicrob Chemother. 70(2): 581, 2015 PMID: 25336165
合併症のない蜂窩織炎患者に対して、24人に対して内服薬(セファレキシン1gを1日4回)、22人に対して注射薬(セファゾリン2gを1日2回)が10日間使用されました。
その後、症状の進行が停止するまでの期間が調べられています。
症状進行停止までの期間
・内服薬:1.29日
・注射薬:1.78日
difference:-0.49(95% CI:-1.02 to 0.04)
このように症状進行停止までの期間には有意な差はないようです。
抗菌薬の用量が日本とはかなり違うため単純に比較はできませんが、通常の蜂窩織炎は内服薬で治療ができそうです。
それでは注射薬を使用するのはどのような場合なのでしょうか。
米国感染症学会(IDSA)のガイドラインを見てみましょう。
Clin Infect Dis. 59(2): e10, 2014 PMID: 24973422
入院治療の適応
1 |
全身性炎症の徴候 (体温>38℃、心拍数>90/分、呼吸数>24/分、白血球>12000 or <400 /µL) |
2 |
免疫不全状態 |
3 |
壊死性筋膜炎 |
4 |
外来治療が失敗 |
これらの4つの条件に当てはまる場合が注射薬の適応です。
とりあえず発熱があるときは注射薬の治療が望ましいようです。