皮膚科の豆知識ブログ

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蜂窩織炎を誤診しないための方法

前回の記事で蜂窩織炎の診断を確定できる検査はないことを解説しました。

www.derma-derma.net

 

そのため非特異的な臨床所見のみから診断するしかありません。

それでは蜂窩織炎の診断はどれくらい難しいのでしょうか。

論文を見てみましょう。

Dermatol Online J. 17(3): 1, 2011 PMID: 21426867

 

救急外来で蜂窩織炎と診断されて入院した患者145人に対して、皮膚科医または感染症医が診察を行い診断を確定しました。

蜂窩織炎ではなかった患者:41人(28%)

 

その結果145人中41人(28%)が蜂窩織炎ではないと診断されています。

つまり一般医の蜂窩織炎の誤診率は28%ということです。

 

誤診した疾患の内訳は以下の通りです。

1 静脈うっ滞性皮膚炎 36%
2 静脈血栓症 10%
3 非特異的皮膚炎 5%
4 その他 49%

 

静脈うっ滞性皮膚炎が蜂窩織炎と誤診されることが多いようです。

それではどうやって鑑別したらよいのでしょうか。

蜂窩織炎の総説を見てみましょう。

JAMA. 316(3): 325, 2016 PMID: 27434444

 

これらの疾患を鑑別するポイントは、片側性か両側性かに注目することです。

Stasis dermatitis is the condition that most often mimicscellulitis.

It is distinguished by its bilateral nature because bilateral cellulitis in the absence of skin trauma is extremely rare, and alternate diagnoses should be evoked before a diagnosis of bilateral cellulitisis conferred.

 

両側性の蜂窩織炎は稀なので、皮疹が両足にある場合はうっ滞性皮膚炎を考えます。

 

またうっ滞性皮膚炎の他に痛風や偽痛風にも注意する必要があります。

Gout is also frequently confused for cellulitis, especially because it can present with fever or leukocytosis and serum uricacid level may not be elevated, and it should be considered in cases in which the erythema overlies a joint. 

 

関節部の蜂窩織炎を疑う病変は痛風や偽痛風を鑑別します。

ただし鑑別が難しいケースもあり、診断的治療としてNSAIDsの内服が行われる場合があるようです。

A trial of nonseroidal anti-inflammatory drugs or joint aspiration can help distinguish gout from cellulitis.