皮膚科の豆知識ブログ

日々の小さな疑問を解決する論文を紹介。講演、お仕事の依頼は「お問い合わせ」からお願いします。

湿疹が治らないときに考えること

「湿疹が治らない」

これは皮膚科医であれば誰しも経験することだと思います。

また「治らない」という訴えでドクターショッピングを繰り返す患者もいます。

 

それでは湿疹が治らない時はどうすればよいのでしょうか。

まず治らない理由にどんなものがあるのを知っておく必要があります。

こちらの論文に湿疹が治らない理由が4つ挙げられています。

皮膚科の臨床59(10): 1517, 2017

 

【湿疹が治らない理由】

1. 診断が間違っている(真菌、酒さ)
2. 何か原因がある(接触皮膚炎)
3. 生活習慣・機械的刺激(過度な手洗い、掻きむしるクセ)
4. 指示通り外用薬を使用していない

 

まず思いつくのは①(診断が間違っている)の可能性です。

しかし実際にはこのパターンはあまり多くはなく、一番多いのは④(指示通り外用薬を使用していない)です。

 

「2、3回塗ってみたけど治らない」という患者は案外多い印象です。

1日2回、1週間しっかりと外用するように指導すると、すぐに治ってしまいます。

湿疹が治らないときは、まずきちんと外用薬を使用できているかを確認する必要があるでしょう。