外来診療を行っていると、外用薬をきちんと使用できていない患者が多い印象があります。
実際、薬を塗るのは大変で、続けれられなくても無理はありません。
それでは具体的に外用薬の継続率はどれくらいなのでしょうか。
論文を見てみましょう。
J Am Acad Dermatol. 54(Suppl): S235, 2006. PMID: 16631951
手湿疹患者に対して内服と外用のステロイドが処方されました。
その後、薬剤の使用率が3週間調査されています(外用薬を開けたら記録される電子キャップを使用)。
【薬剤継続率(治療開始3週後)】
・内服薬:85%
・外用薬:64%
このように外用薬の継続率は64%と低く、3週間継続できる患者はあまり多くないようです。
ところが自己申告では継続率は90%を超えていたようで、患者の「ちゃんと塗っています」は案外当てにならないかもしれません。
普段、診療は「診察→診断→処方」という流れで終わりますが、皮膚科の診療はその後が一番重要です。
処方だけで終わらせずに、しっかり使用してもらうための工夫を行う必要があるようです。