次回作の構想メモ
前著の続編(同じコンセプト)の要望がある。
しかし次回作はまったく違ったスタイルの書籍にしたい。
具体的にはマニュアル本。
医学書は成書、マニュアル、通読型の3種類に分類される。
前著は読み物的な「通読型」だったので、次回は別のカテゴリーである「マニュアル」に挑戦する。
現在の皮膚科のマニュアル本の問題点。
- 病名がわからないから、どこを調べてよいかわからない
- 無機質でどれを見ても代わり映えしない
- なぜそうするのかという根拠の記載がない
①への対応
・体系的に診断が可能な「アルゴリズム」をもとにして書籍を構成する
(皮膚病理にはアッカーマンアルゴリズムがあるが、皮疹のアルゴリズム診断は一般的ではない)
②に対する対応
・分担執筆ではなく単著
・臨床経験にもとづく有用な情報やノウハウ、ピットフォールを盛り込む
・味気ない言葉の羅列ではなく、疾患の全体像がイメージできるように工夫
③に対する対応
・抽象的な記載を避け、具体的な数値やエビデンスを記載
・エビデンスがはっきりしない部分では、自身の臨床経験を交えて解説
他科には単著の優れたマニュアル本が存在するが、皮膚科の分野にはない。
- 内科診療フローチャート
- 内科診断リファレンス
- 循環器病治療薬ファイル
- 膠原病診療ノート
これらを参考にして、著者一人による一貫したものの診かたを提示。
考えの過程や根拠などの従来のマニュアルでは省かれている「行間」を書く。
またエビデンスにとどまらず、実際の経験や現場の知識をなるべく具体的に示し、病気の全体像をイメージできるように工夫する。