前回に引き続き書籍の内容をもとにして国家試験の問題を解説していきます。
今回は第2章の内容になります。
問題
以下のような皮疹をみたとき、まず何をすればよいでしょうか。
(110-C24)
国試問題文(抜粋)
52歳の女性.頭皮と両耳介の皮疹とを主訴に来院した.数日前に染毛剤を使用した.同時期にシャンプーも変更したという.
解説
答え:真菌検査
表面の変化がある紅斑なので、病変は表皮にあると分かります。
この場合、まず考えるのは湿疹と白癬です。
湿疹と白癬の鑑別は真菌検査(直接鏡検)で行うことができます。
真菌検査が陰性であれば、湿疹と考えてステロイドの外用を行います。
ただ一言で湿疹と言っても単一の疾患ではなく、分類される疾患は多岐にわたります。
- 原因物質がわかる→接触皮膚炎
- 原因物質が不明→病因、部位、年齢、特徴的な臨床像から分類
この皮疹は耳に限局しているので、接触皮膚炎を疑いますね。
ピアスなどの金属や、外用薬を使用していた既往がないかを確認するのがよいでしょう。
つづく