皮膚科の豆知識ブログ

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尿素の濃度は何%がいいですか?

尿素製剤には2つの濃度があります。

 

・ウレパール→10%
・ケラチナミン→20%
・パスタロン→10%と20%

これらはどのように使い分ければよいのでしょうか。

論文を見てみましょう。

Dermatol Ther. 31(6): e12690, 2018 PMID: 30378232

 

尿素は角質細胞中の天然保湿因子(NMF)の一種です。

そのため10%以下の低濃度では保湿剤として作用します。

At lower doses (≤10%), urea-containing topical formulations act as a skin moisturizer.

 

ところが10%を超えるとケラチンを変性させ、角質溶解作用が出てきます。

At higher concentrations (>10% urea), urea-based preparations exert a keratolyticaction. 

 

そのため角化した病変(踵の角化や胼胝など)を軟化させる目的では20%製剤を使用するとよいでしょう。

 

  • 10%製剤(保湿)→ウレパール、パスタロン
  • 20%製剤(角質を軟化)→ケラチナミン、パスタロン