保湿剤であるヒルドイドには様々な剤型があります。
これらはどのように使い分ければよいのでしょうか。
ローションとクリーム(ソフト軟膏)を比較した論文を紹介します。
日本皮膚科学会雑誌 122(1): 39, 2012 NAID: 130004708841
健常成人5人の前腕に人工的に乾燥皮膚を作り、1か所はヒルドイドソフト軟膏、もう1か所はヒルドイドローションの外用を行いました。
1日2回、2週間使用し、角質水分量の目安となる電導度が測定されています。
ほとんど差はありませんが、8日目と14日目ではローションのほうが保湿効果が高くなっています。
つまりヒルドイドローションはヒルドイドソフトより若干効果が高いと言えそうです。
ただしこれはまったく同じ量を塗ったときの結果です。
ローションのほうが伸びがよいので、クリームよりも塗布量が少なくなる可能性があります。
そのため実際には臨床的な差にはつながらないかもしれません。
基本的に剤型による効果の違いは少ないと考えてよいでしょう。