ステロイド外用薬と保湿剤を併用することで、症状をより改善することができる可能性があります。
そこでステロイド外用薬と保湿剤の混合が行われます。
しかし混合して薄まっても効果は維持されるのでしょうか。
今回は保湿効果について考えてみます。
論文を見てみましょう。
薬学雑誌. 137(6), 763-766, 2017(NAID: 130005685940)
健常人14人の前腕に人工的に乾燥皮膚を形成し、保湿剤(ヒルドイドソフト)と混合剤(ヒルドイドソフト+ワセリン)をそれぞれ外用しました。
1日2回の外用を2週間行い、角質水分量の指標となる電気伝導度が測定されています。
結果ですが、以下のようにヒルドイドソフトは混合すると保湿効果が低下してしまうようです。
電気伝導度(角層水分量)増加量(2週間後)
・ヒルドイドソフト希釈なし:66.3ms
・ヒルドイドソフト2倍希釈:30.5ms
(p<0.05)
つまり保湿効果を重視するなら、保湿剤は混合せずに使用したほうがよさそうです。
ただ朝ステロイド、夜保湿剤など、別々に使用するのは手間がかかります。
面倒になって塗らなくなるよりは、効果は下がっても混合して使用したほうがよい…という考え方もあるかもしれません。