ステロイドには様々な全身性副作用があります。
しかし外用で体内に吸収されるステロイド量は少なく、問題になることは多くはありません。
それでは全身性副作用に注意する必要がある使用量はどれくらいなのでしょうか。
論文を見てみましょう。
Therapeutic Research. 8(1): 222, 1988
3~6週間ステロイド外用(very strongクラス)を行い、副腎皮質機能の抑制の指標となる血中コルチゾール値が測定されています。
1日の使用量ごとに結果をまとめたのが以下のグラフになります。
使用量が1日10g以下であればコルチゾール値の低下はありません。しかし20g以上では1週間後から値が低下しています。
この結果からは、1日の使用量が10g以下であれば全身性副作用の可能性は低いと考えられます。
ただしstrongestクラスの場合は注意が必要です。
デルモベート1週間外用とリンデロン1週間内服のコルチゾール値を比較したデータを見てみましょう。
以下のようにデルモベート10gがリンデロン1錠に相当するようです。
つまりstrongestクラスは10g以下であっても全身性副作用が生じる可能性があります。
安易には使用せず、使う場合も短期間に留めるほうがよいでしょう。