従来、アトピー性皮膚炎は小児の疾患と考えられていました。
1970年代のデータを見ると、成人の割合は10%程度です。
【アトピー患者の年齢(1976年)】
・9歳以下:68%
・10~19歳:19%
・20~29歳:7%
・30歳以上:6%
Asia Pac Allergy. 1(2): 64, 2011
しかし近年は成人の患者も増加しています。
1990年代の調査では成人の割合が50%以上になっています。
【アトピー患者の年齢(1996年)】
・9歳以下:23%
・10~19歳:22%
・20~29歳:39%
・30歳以上:16%
J Dermatol. 41(3): 200, 2014 PMID: 24628069
さらに高齢化に伴い、高齢者のアトピー性皮膚炎も増加しています。
2007年の調査では60歳以上の患者が3%程度いるようです。
【アトピー患者の年齢(2007年)】
・30歳以上:36%
・50歳以上:6%
・60歳以上:3%
J Dermatol. 41(3): 200, 2014 PMID: 24628069
これらの高齢患者は、成人アトピーが持続したものなのでしょうか。
論文を見てみましょう。
Int Arch Allergy Immunol. 157(4): 372, 2012 PMID: 22122980
60歳以上のアトピー患者121人の調査です。
以下のように高齢になってから症状が出現している患者がほとんどのようです。
・高齢発症:88%(小児アトピーの再発:67%)
・成人発症の持続:12%
多くが小児アトピーの再発のようですが、既往がない患者も20%を占めています。
高齢で発症するアトピーもあるということを知っておく必要があるでしょう。