皮膚科の豆知識ブログ

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初期対応と皮膚科コンサルトのタイミング③/著書「誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた」の補足説明

拙著「誰も教えてくれなかった皮疹の診かた・考えかた」の読者から、初期対応と皮膚科コンサルトのタイミングが知りたいとのご意見をいただきました。

そこで紅斑を3つに分けてそれぞれの対応について解説していきます。

 

今回は境界明瞭な表面がツルツルの紅斑(真皮の病変)についてです。

真皮の病変は蕁麻疹と中毒疹に分けて考えます。

前回は蕁麻疹について解説しました。

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次に中毒疹について見ていきましょう。

 

緊急性のある病態

初期対応を考える上で重要なのは緊急性です。

書籍で述べたように、中毒疹には薬疹、感染症、膠原病の3つの鑑別診断があります。

 

この中で最も緊急性が高いのは重症薬疹です。

軽症の薬疹であれば薬剤の中止のみで治癒しますが、重症薬疹ではステロイドの全身投与が必要になります。

 

初期対応

それでは中毒疹の初期対応について考えていきましょう。

 

  • 薬歴の確認
  • 薬剤中止
  • 重症薬疹の徴候(発熱、粘膜症状)の確認

 

まず行うのは薬歴の確認です。

薬疹を疑う薬歴がある場合は、まず薬疹を考えて薬剤を中止します。

そして発熱や粘膜症状があるかどうかを確認してください。

もしこれらの症状がある場合は重症薬疹を考えます。

 

皮膚科コンサルトのタイミング

次に皮膚科コンサルトのタイミングについて解説していきます。

①重症薬疹を疑う場合

原因薬剤を中止して至急皮膚科にコンサルトしてください。

 

②薬疹を疑い、重症薬疹の所見がない場合

軽症の薬疹は原因薬剤の中止で1週間程度で治癒します。

まず原因薬剤を中止して経過をみてもよいでしょう。

ただ後から重症化する場合もあるため、できれば数日以内に一度皮膚科にコンサルトしておいたほうがよいと思います。

 

③薬歴がなく判断がつかない場合

薬歴がなければ感染症や膠原病を考えます。

診断は一筋縄ではいかず、皮膚科だけでは完結しない場合も少なくありません。

内科と皮膚科の協力が必要になります。

 

今回は以上になります。

次回は皮下組織の病変について解説します。

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