皮膚科の豆知識ブログ

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湿布の光接触皮膚炎はいつまで続く?

NSAIDsの一種であるケトプロフェンには光線過敏の副作用があります。

そのためケトプロフェンが含有された湿布(モーラステープ)は光接触皮膚炎を引き起こすことがあります。

 

さらに薬の成分は湿布をはがした後でも長く皮膚に残ります。

光接触皮膚炎を起こした患者は、一定期間紫外線を避ける必要があるのです。

 

それではどれくらいの期間紫外線を避ければよいのでしょうか。

論文を紹介します。

Contact Dermatitis. 58(3): 159, 2008 PMID: 18279154

 

ケトプロフェンの光接触皮膚炎の患者40人へのインタビュー調査です。症状が消退するまでの期間がまとめられています。

光線過敏消失までの期間

・2か月以内:12人(30%)
・2ヶ月~1年:15人(37%)
・1年以上:13人(33%)

 

このように7割の患者が症状消失までに2ヶ月以上かかっています。

できれば1年程度の遮光をするのが望ましいのかもしれません。