皮膚科の豆知識ブログ

皮膚科専門医のブログです。日々の小さな疑問を解決する論文を紹介します。

検査

TARCが薬疹でも役に立つ

DIHSは重症薬疹の一つです。 しかし診断のためには「原因薬剤中止後の経過の遷延」や「HHV-6の再活性化」を確認する必要があり、早期に診断するのは難しい場合があります。 そこでDIHSの発症早期にTARCが役立つことが示された論文があります。 J Dermatol Sc…

検査の性能がわかる「尤度比」とは?

検査の性能は、感度と特異度からある程度わかります。 しかし「感度38%、特異度96%」の検査と言われても、イメージがつきにくいのではないでしょうか。 そんなときに便利な尤度比について解説します。 尤度比とは 尤度比は感度と特異度から計算することがで…

ASOはどんなときに使うのか?

溶連菌感染症を診断するための血液検査としてASOがあります。 ASOはどのような場面で使用するのでしょうか。 A群溶連菌が産生する活性蛋白streptolysin Oに対するIgG抗体がASO(anti-streptolysin O)です。 IgG抗体なので上昇するまでの時間がかかることに…

マイコプラズマ抗体検査はどう使う?

マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)感染症はスティーブンスジョンソン症候群の原因にもなるため、皮膚科でも重要な感染症です。 肺炎のイメージが強いですが、肺炎に至るのは3~10%で、ほとんどが感冒症状のみなのだそうです(Chest. 95(3) 639…

抗核抗体が陽性だけど症状がないとき

抗核抗体が陽性、しかし臨床症状は無いという状況に遭遇することがあります。 健常者での抗核抗体の陽性率はどれくらいなのでしょうか。 Arthritis Rheum. 40(9): 1601, 1997(PMID: 9324014) 【健常者の抗核抗体陽性率】 40倍:31.7% 80倍:13.3% 160倍…

成人スティル病でフェリチンはどれくらい有用なのか?

成人スティル病ではフェリチンが上昇することが知られていますが、どれくらい有用なのでしょうか。 フェリチンの感度・特異度について書かれた総論を紹介します。 日本内科学会雑誌 92(10): 1977, 2003 ・フェリチン高値 ⇒ 感度91.9%、特異度47.0% (陽性尤…

IL-2Rは悪性リンパ腫の診断に有用なのか?

IL-2レセプター(IL-2R)は悪性リンパ腫の腫瘍マーカーとして使用されています。 しかし様々な疾患で上昇するため、どの程度有用な検査なのかは知られていないように思います。 皮膚悪性リンパ腫を疑ってスクリーニング検査を行ったときにIL-2Rが高値に出る…

TARCでアトピーの重症度がわかるか?

アトピー性皮膚炎の病勢を測る指標としてTARCがあります。 しかし測定値が100~30000 pg/mlと非常に幅があるため、目安が分かりにくいです。 数値の目安として、重症度ごとの平均値を調べた報告が参考になります。 J Dermatol 33(4): 300, 2006(PMID: 16674…

抗BP180抗体の陽性率はどれくらい?

高齢者に多い水疱性類天疱瘡(類天疱瘡)は、高齢化に伴い増加しています。 高齢者施設では、入所者の1%に類天疱瘡がみられるという報告もあります(MB derma: 161 p39-45, 2010.)。 診断基準では皮膚生検が必要なのですが、皮膚科受診が難しい場合もあり、…