皮膚科の豆知識ブログ

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外用薬

NSAIDs外用薬は皮膚炎に使わないほうがいい?(効果について)

NSAIDs外用薬には2種類あります。 皮膚疾患用(皮膚炎) 整形外科疾患用(関節痛、筋肉痛) 今回は湿疹・皮膚炎に使用する皮膚疾患用NSAIDs外用薬について見てみます。 NSAIDs外用薬の位置づけ ステロイド外用薬には免疫抑制や皮膚萎縮などの副作用がありま…

NSAIDs外用薬は皮膚炎に使わない方がいい?(副作用について)

NSAIDs外用薬には2種類あります。 皮膚疾患用(皮膚炎) 整形外科疾患用(関節痛、筋肉痛) 今回は湿疹・皮膚炎に使用する皮膚疾患用NSAIDs外用薬について見てみます。 NSAIDs外用薬の位置づけ ステロイド外用薬には免疫抑制や皮膚萎縮などの副作用がありま…

オイラックスにはどんな効果がある?(殺虫効果)

オイラックスという外用薬があります。 この薬剤にはどのような効果があるのでしょうか。 オイラックスの成分であるクロタミトンは、1940年代に疥癬に対する殺虫剤として開発されました。 しかしその後に痒みに対する効果が分かり、鎮痒性外用薬としても使用…

オイラックスにはどんな効果がある?(鎮痒効果)

オイラックスという外用薬があります。 この薬剤にはどのような効果があるのでしょうか。 オイラックスの成分であるクロタミトンは、1940年代に疥癬に対する殺虫剤として開発されました。 しかしその後に痒みに対する効果が分かり、鎮痒性外用薬としても使用…

ステロイド外用薬の副作用はどれくらいの期間で出る?

ステロイド外用の代表的な副作用は、塗った部位の「皮膚萎縮」と「皮膚バリア機能低下」です。 それではこれらの副作用はどれくらいの期間で出現するのでしょうか。 皮膚萎縮 まず皮膚萎縮についての論文を見てみましょう。 Skin Pharmacol Appl Skin Physio…

ステロイド外用薬で全身性の副作用は出る?

ステロイドには様々な全身性副作用があります。 しかし外用で体内に吸収されるステロイド量は少なく、問題になることは多くはありません。 それでは全身性副作用に注意する必要がある使用量はどれくらいなのでしょうか。 論文を見てみましょう。 Therapeutic…

ステロイドと保湿剤を混合したらどうなる(抗炎症効果)

ステロイド外用薬と保湿剤を併用することで、症状をより改善することができる可能性があります。 www.derma-derma.net そこでステロイド外用薬と保湿剤を混合することがあります。 しかし混合して薄まった場合も効果は維持されるのでしょうか。 今回は抗炎症…

ステロイドと保湿剤を混合したらどうなる(保湿効果)

ステロイド外用薬と保湿剤を併用することで、症状をより改善することができる可能性があります。 www.derma-derma.net そこでステロイド外用薬と保湿剤の混合が行われます。 しかし混合して薄まっても効果は維持されるのでしょうか。 今回は保湿効果について…

保湿剤にはどんな効果がある?

皮膚科の治療では保湿剤が重要な役割を果たします。 それでは保湿剤には具体的にはどのような効果があるのでしょうか。 再燃予防効果 保湿剤は皮膚炎そのものに対する直接的な効果は期待できませんが、ドライスキンを改善することができます。 そのためドラ…

保湿剤は1日何回塗ればいい?

保湿剤は1日何回塗ればいいのでしょうか。 添付文書を見ても、使用回数は1日1~数回と記載されていてよくわかりません。 論文を見てみましょう。 日本皮膚科学会雑誌 122(1): 39, 2012 NAID: 130004708841 健常成人5人の前腕に人工的に乾燥皮膚を作り、1か所…

保湿剤は入浴後に塗った方がいい?

保湿剤は入浴後に塗るのがいいといわれています。 その理由は2つあるようです。 入浴後に皮膚の乾燥が進むのを予防 入浴で吸収した水分を閉じ込めるので保湿効果が高い まず入浴洗浄によって皮膚表面の皮脂が取れるため、そのまま放置しておくと皮膚の乾燥が…

ワセリン、ヒルドイド、尿素はどれがいい?

保険で処方できる保湿剤は3種類あります。 ワセリン(プロペト) ヘパリン類似物質(ヒルドイド) 尿素(ウレパール、パスタロンなど) これらはどのように使い分ければよいのでしょうか。 論文を見てみましょう。 日皮会誌 121(7): 1421, 2011 NAID: 100311…

ヒルドイドはクリームとローションどちらがいい?

保湿剤であるヒルドイドには様々な剤型があります。 これらはどのように使い分ければよいのでしょうか。 ローションとクリーム(ソフト軟膏)を比較した論文を紹介します。 日本皮膚科学会雑誌 122(1): 39, 2012 NAID: 130004708841 健常成人5人の前腕に人工…

尿素の濃度は何%がいいですか?

尿素製剤には2つの濃度があります。 ・ウレパール→10%・ケラチナミン→20%・パスタロン→10%と20% これらはどのように使い分ければよいのでしょうか。 論文を見てみましょう。 Dermatol Ther. 31(6): e12690, 2018 PMID: 30378232 尿素は角質細胞中の天然保…

キズにゲンタシン軟膏を使うか?(油脂性基剤の選びかた)

潰瘍治療薬は剤型によって3つに分類するとわかりやすくなります。 油脂性基剤(水を保つ) 水溶性基剤(水を減らす) 乳剤性基剤(水を増やす) 創部の水分の状態に応じて薬剤を使い分けるのが創傷治療の原則です。 剤型別に外用薬の使いわけを解説したいと…

ユーパスタ、カデックス、ヨードコートの違いと使い分け(水溶性基剤の選びかた)

潰瘍治療薬は剤型によって3つに分類するとわかりやすくなります。 油脂性基剤(水を保つ) 水溶性基剤(水を減らす) 乳剤性基剤(水を増やす) 創部の水分の状態に応じて薬剤を使い分けるのが創傷治療の原則です。 剤型別に外用薬の違いと使いわけを解説し…

ゲーベンとオルセノンの違い(乳剤性基剤の選びかた)

潰瘍治療薬は剤型によって3つに分類するとわかりやすくなります。 油脂性基剤(水を保つ) 水溶性基剤(水を減らす) 乳剤性基剤(水を増やす) 創部の水分の状態に応じて薬剤を使い分けるのが創傷治療の原則です。 剤型別に外用薬の使いわけを解説したいと…