皮膚科の豆知識ブログ

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ジアノッティ症候群を診断する方法

ジアノッティ症候群は様々なウイルスが原因で起こります。 

 

そのため確定診断ができる検査がなく、患者への説明が中途半端になりがちです。

また治療法がなく、治癒までに時間もかかることも問題です。

 

そこで海外から報告されている診断基準が役に立ちます。

Infect Dis Rep 4(1): e12, 2012 PMID: 24470919

【陽性所見】
①紅~褐色丘疹
②頬、臀部、前腕伸側、下肢伸側のうち3ヶ所以上
③対称性
④10日以上持続

【陰性所見】
①広範な体幹病変
②鱗屑を伴う皮疹

(すべての陽性所見を満たし、すべての陰性所見を満たさないものをジアノッティ症候群と診断)

 

四肢がメインで、皮疹は鱗屑がないことが特徴と言えるでしょう。

11人のジアノッティ症候群患者と31人の対照群の調査では、診断基準の感度、特異度は100%だったと報告されています。

Cutis. 68(3): 207, 2001 PMID: 11579787

 

これを参考すれば多少は診療しやすくなるのではないかと思います。

いずれにせよ説明の難しい疾患ですが…。