前回のつづき
最初に印刷した本が売り切れて、追加で印刷することを重版(増刷)と言います。
ヒット作への第一歩は重版になることです。
しかし重版率は10~20%と言われており、ほとんどの書籍が重版されずに販売終了してしまいます。
そこで今回は重版されるためにはどうしたらいいのかを調べてみました。
どうやら2つのポイントがあるようです。
- 初動
- どこで売れているか
①初動
一般的に、初刷(最初に印刷した部数)が売り切れれば重版になります。
ところが必ずしも「売り切れたら重版になる」わけではありません。
数年かかって初刷が売り切れた本に関しては、その後の売れ行きが見込めないので重版せずに販売終了することが多いそうです。
(https://nishizawashoten.com/5120.html)
つまり発売直後の売れ行き(初動)が重要ということです。
出版後、2~3ヶ月以内に重版がかかれば、その勢いを保って2刷、3刷、、、5刷、6刷、、、と期待ができます。
ところが無名の著者の書籍では、出版社のプロモーションが始まるのは発売後しばらく時間がたってからです。
発売直後から売れるためには、いろいろな工夫を行う必要がありそうです。
②どこで売れているか
またどこで売れているのかも重要なポイントになるようです。
重版の一番の判断材料は書店での売れ行きです。
アマゾンでの売れ行きが好調でも判断材料にはならないと言われています。
(https://coach-leaders.com/blogs/secretstory-book/)
その理由は流通のしくみにあるようです。
(https://note.com/uehararyuichi/n/n3225f4c251b3)
初版1万部の本を例にすると、出版社は以下のように割り振ります。
・アマゾン:2000部
・その他ネット書店:1000部
・リアル書店:5000部
・出版社在庫:2000部
リアル書店では1000部しか売れていないが、アマゾンの売れ行きが好調で売り切れた場合。
出版社は在庫の2000部をAmazonに投入します。
しかしこの段階では、なかなか重版には踏み切れません。
リアル書店の店頭にはまだ4000部が残っており、書店は出版社に本を返品することができます。
つまり重版後に返品されてしまった場合、出版社は大量の在庫を抱えてしまうことになるのです。
最近、インフルエンサーが本を出版することが増えており、ネット書店ではよく売れています。
しかしリアル書店では売れ残って大損というパターンも多いそうです。
つまり重版の判断は書店での売り上げが重要になってくるのです。
まとめ
このように重版されるためには、本の流通のしくみをよく理解する必要がありそうです。
次回は重版されるための書籍のプロモーションについて考えてみます。
つづく