この度、メジカルビュー社様より新刊が出版されました。
この本は様々な書籍、教科書から影響を受けて制作されています。
このブログではこれらの本を紹介しながら、私の著書の内容を解説したいと思います。
まずは「フレームワークで考える内科診断」です。
フレームワークで考える内科診断学
「フレームワークで考える内科診断学」は内科診断の教科書です。
この書籍の特徴は、診断の過程を解剖学・生理学などに基づいたフローチャートで解説していること。
たとえば「胸痛」であれば、まず心臓由来なのかそれ以外の原因なのかで大きく 2 つに分類します。
胸痛
- 心臓由来
- それ以外
そして心臓由来に関してはさらに急性冠症候群とそれ以外の 2 つに分け、心臓以外についても肺、消化管、筋骨格、それ以外の 4 つに分類。
心臓由来の胸痛
- 急性冠症候群
- それ以外
というように小分けにして、鑑別診断を体系的に挙げていく方法をとっています。
羅列的に診断名を挙げていくアプローチとは異なり、アルゴリズムに沿って進めることで、体系的に疾患を絞ることができます。
私のように内科診療に慣れていない者にとって、このような診断アルゴリズムは大変有用でした。
皮膚科の診断アルゴリズム
「フレームワークで考える内科診断学」に限らず、多くの診療分野でアルゴリズムが用いられています。
ところが皮膚疾患の診断については、「正確な用語で皮疹の性状を記載する」ことの重要性ばかりが強調され、体系的な診断法が紹介されることは多くはありません。
そこで今回の書籍は、ミネソタ大学皮膚科のLynch教授が提唱した非皮膚科医のための診断アルゴリズムを参考にして構成しました。
皮膚所見を大きく3つに分類して診断を絞っていくアプローチ法で、従来の原発疹・続発疹からのアプローチよりも簡便でわかりやすいものになっています。
(アマゾンのサンプルページより)
このLynchアルゴリズムを活用することで、直感や記憶力に頼ることなく、客観的で正確な診断に至ることができると思います。
是非手に取っていただき、感想やご意見をいただけましたら嬉しいです。
つづく