造影剤の副作用である即時型反応は、どれくらいの頻度で起こるのでしょうか。
CT造影剤の投与患者9290例とMRI造影剤の投与患者4919例を調査した日本の論文を紹介します。
MB derma 229: 131, 2015
【即時型反応の頻度】
・CT造影剤:3.3%
・MRI造影剤:0.94%
CT造影剤のほうがMRI造影剤よりも即時型反応の頻度は高いようです。
また重篤な反応(アナフィラキシーショック)の頻度も調べられています。
【アナフィラキシーショックの頻度】
・CT造影剤:0.03%
・MRI造影剤:0.02%
どうやらアナフィラキシーショックが起こる頻度は、CT造影剤もMRI造影剤も同じくらいのようです。
ちなみにCT造影剤の即時型反応の既往がある場合、MRI造影剤を使っていいかという質問を受けることがあります。
CT造影剤とMRI造影剤は全く別の物質なので(CT:ヨード、MRI:ガドリニウム)、交差反応はなく使用は可能です。
(アレルギー. 67(2): 98, 2018.)