皮膚科の豆知識ブログ

日々の小さな疑問を解決する論文を紹介。講演、お仕事の依頼は「お問い合わせ」からお願いします。

アレルギー検査(即時型)の陽性率はどれくらい?

即時型アレルギーの検査として皮膚テスト(プリックテスト、皮内テスト)が行われます。

しかしアレルギーを強く疑いながらも検査が陰性になる場合もあり、判断に迷うケースが多いです。

それでは皮膚テストの陽性率はどれくらいなのでしょうか。

具体的な数字が書かれている古い論文を紹介します。

J Allergy Clin Immunol. 60(6): 339, 1977(PMID: 925260)

 

ペニシリンアレルギーの既往がある患者(アナフィラキシー26人、蕁麻疹366人)に対して皮膚テストが行われています。

【皮膚テストの陽性率】

・アナフィラキシー:46%
・蕁麻疹:17%

 

アナフィラキシーの場合でも陽性率はあまり高くないようです。

さらに蕁麻疹での陽性率はかなり低く、皮膚テストで原因を特定するのは難しいかも知れません。

検査が陰性だったとしても、即時型アレルギーは否定できません。