ペニシリンアレルギーを持つ患者がいます。
その患者にセフェム系の抗菌薬を投与することは可能なのでしょうか。
これを調べた報告があります。
J Allergy Clin Immunol Pract. 6(5): 1662, 2018(PMID: 29408440)
ペニシリンアレルギーと診断されている272人の患者に対して、複数のセフェム系抗菌薬のアレルギー検査が行われました。
抗菌薬を①ペニシリンと側鎖が同じor類似のものと、②側鎖が異なるものに分類して検査陽性率をみてみましょう。
【アレルギー検査陽性率】
・側鎖が同じor類似のセフェム:37.7%
・側鎖が異なるセフェム:1.6%
側鎖が同じセフェム系では比較的高い頻度で交差耐性を持つようです。
そのため使用しないほうがよいでしょう。
しかし側鎖が異なれば交差耐性はほどんどないようで、ペニシリンアレルギーがあっても使用ができそうです。
ペニシリンと側鎖が同じ薬剤は(R1側鎖がNH2基)4種類あります。
一般的に使用されているのはセファレキシン(ケフレックス)とセファクロル(ケフラール)の2種類です。
R1側鎖がNH2基
- セファレキシン
- セファクロル
- セファドロキシル
- セファトリジン
意外ですが同じ第一世代に分類されるセファゾリン(セファメジン)は側鎖が異なっています。
そのためペニシリンアレルギーがあっても使用ができる可能性がありそうです。