皮膚科の豆知識ブログ

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【書籍の復習用】国試解説:第3回

前回に引き続き書籍の内容をもとにして国家試験の問題を解説していきます。

 

今回は第2章の内容になります。

 

問題

以下の皮疹をみたときに、まず何を行えばよいでしょう。

(112D-33)

国試問題文(抜粋)

8歳の男児.2ヵ月前から頭皮に痒みとともに脱毛斑が出現した.市販の副腎皮質ステロイド外用薬を塗布していたところ,2週間前から次第に発赤し,膿疱や痂皮を伴い疼痛も出現してきたため受診した.

 

解答

答え:真菌検査

 

表面の変化がある紅斑なので、病変は表皮にあると分かります。

この場合、まず考えるのは湿疹と白癬です。

湿疹と白癬の鑑別は真菌検査(直接鏡検)で行うことができます。

 

 

この症例は脱毛斑を伴っているので白癬の可能性が高そうですが、真菌検査なしで診断することはできません。

検査陽性を確認してから抗真菌薬で治療を行います。

つづく

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