前回に引き続き書籍の内容をもとにして国家試験の問題を解説していきます。
今回は第2章の内容になります。
【問題】
以下の皮疹が真菌検査陰性でステロイド外用を行っても治癒しない場合、何を行えばよいでしょうか。
(102-A34)
国試問題文(抜粋)
71歳の男性.数年前に出現した顔面の紅色皮疹が拡大してきたことを主訴に来院した.
【解説】
答え:悪性腫瘍を疑って皮膚生検
表面の変化がある紅斑なので、病変は表皮にあると分かります。
その場合に考える疾患は皮膚真菌症、湿疹、悪性腫瘍です。
真菌検査が陰性であれば、湿疹と悪性腫瘍の可能性があります。
ただし悪性腫瘍の頻度は低いため、まず湿疹として治療を行うのがよいでしょう。
そしてステロイド外用で治らない場合は、皮膚生検を行って診断を確定する必要があります。
湿疹と見分けがつきづらい悪性腫瘍には、日光角化症、Bowen病、乳房外Paget病、菌状息肉症などがあります。
この症例は高齢者の露光部であり日光角化症の可能性が高そうです。
つづく