前回に引き続き書籍の内容をもとにして国家試験の問題を解説していきます。
今回は第3章の内容になります。
【問題】
以下の24時間以上持続する紅斑をみたとき、まず確認するのは何でしょう。
(102A-33)
国試問題文(抜粋)
70歳の女性.5日前に頭痛と咽頭痛とが生じたため,感冒薬を内服した.
3日前から発熱,関節痛,結膜充血,口腔内びらんに加えて,顔面,体幹および四肢に紅色皮疹が出現した.
【解説】
答え:薬歴
表面の変化がなく境界明瞭な紅斑なので、病変は真皮にあるようです。
この場合は蕁麻疹と中毒疹を考えます。
蕁麻疹と中毒疹の鑑別点は皮疹の持続時間です。
24時間以上持続する場合は中毒疹と診断します。
中毒疹は薬疹、感染症、膠原病の可能性がありますが見た目では鑑別できません。
そこでまず薬歴に注目します。
薬歴がなければ感染症と膠原病に絞られますが、この症例は感冒薬を内服しているようです。
まず薬疹を考えて薬剤を中止します。
ちなみに薬疹は重症薬疹の鑑別が重要です。
通常の薬疹は原因薬剤の中止で治癒しますが、重症薬疹はステロイドの全身投与が必要です。
重要な鑑別点は発熱と粘膜病変です。
この症例は発熱と粘膜病変があり、重症薬疹(スティーブンスジョンソン症候群)のようです。
ステロイドの全身投与が必要になります。
つづく